ER 縁の下の力持ち:ベテラン看護士 ヨシ
Gedde Watanabe

ドラマ「er 緊急救命室」では、医師はもちろんのこと、看護婦・看護士から清掃員まで様々なキャラクターがリアルに描かれている。スポットが当てられるのは医師が多いことは確かだが、清掃員がいなくなっただけでもERが大混乱になるエピソードなどもあり、非常に現実的なストーリー描写が面白い。その中でもアジア系のキャラである看護士・ヨシにスポットを当ててみる。1997年の第3シーズンから登場したヨシ・タカタは日本人看護士という設定になっている。いつも穏やかな性格で、感情的になったところはみたことがないほどである。ヨシはゲイではないか?と救急隊員にからかわれたことがあったが、否定はしていないためもしかしたらゲイなのでは、という噂もあるようだ。ドラマには顔を出すときと出さないときがあるが、降板はしていない。

温厚なヨシを演じているのはGedde Watanabe(ジェデ・ワタナベ)。名前からもわかるように日系アメリカ人であるが、日本語は全く話せない。1955年6月26日にユタ州で生まれている。1955年・・・ということは、現在すでに40代後半ではないか!これはかなり驚きである。San FranciscoのAmerican Conservatory Theatreで演技を学び、1984年のJohn Huge監督作品「すてきな片思い」("Sixteen Candles")で映画デビュー。この映画の中でアジア系キャラとして映画デビューを果たしたわけだが、この映画の彼の扱われ方はとにかくひどいらしい(私は未見)。まぁアジア人の扱われ方がひどいのは今に始まったことではないのだが。しかし強烈なキャラゆえに、いまだにこのキャラのファンが大勢いるそうだ。その後、テレビ番組のゲストやレギュラー、さらに映画にも出演しており、なかなか出演作は面白い。役どころとしては日本人か日系アメリカ人、また中国人を演じることが多い。「グレムリン2」「ボーイズ・オン・ザ・サイド」「すべてをあなたに」などといったヒット作にも出演しているそうだが、全然思い出せないので再度見直そうと思っている。名前が世界的に知られるようになったのは「ER」の出演がきっかけであろう。このドラマには1997年から出演しており、日雇い状態(^^;)で出演しているため、毎回登場はしていない。しかし看護士という欠かせないキャラとして活躍中である。「ER」つながりでは、1998年に「ムーラン」というアニメーション映画で声の出演を果たしているが、この映画、他にもアジア系が声の出演を果たしており(スター・トレックでお馴染みのGeorge Takeiまで!)、ERにレギュラー出演中のMing-Naも出演している。この映画の中で、Watanabeは歌を披露しているのだが、歌の部分は吹き替えだそうで、どうやら本人が歌うと上手すぎるので吹き替えを使ったんだとか。その他、"Murphy Brown", "Seinfeld", "Home Improvement", "The Simpsons", "Sabrina, the Teenage Witch"などなど、有名どころで日本でも放送されているドラマにゲスト出演しているからすごい。

Gedde Watanabe

また、出演作にはクレジットなしのものも若干ある。例えば「Booty Call」。ちょっと前まで結構ひっぱりだこ状態で人気上昇中だったJamie Foxxが主演の映画。日系人も数名製作に関わっている映画のようだが、Chanというキャラで登場している。また松田聖子のわけのわからない出演シーンで映画台無しの「アルマゲドン」にも、実は聖子ちゃんと一緒にタクシーに乗っている役で登場していた!顔は全然覚えていないけどあれだよな〜、きっと。これまたクレジットなし。やはりちゃんと見直すべき映画が盛りだくさんとった感じだ。

今でこそ穏やかな性格のヨシで知られているが、テレビや映画に出演する前はストリート・ミュージシャンとして食いつないだ。SFからNYへ移ったこともある(Broadwayで舞台を踏んでいる)事実、彼の歌声はすばらしいらしく、NYでは週末のストリート・パフォーマンスで$300ほど稼いでいたというからなかなかのものである。13〜14年ほどNYで過ごした後、LAへと移り、2001年には「A Funny Thing Happened on the Way to the Forum」などの舞台にも挑戦している(この舞台、BroadwayでWhoopi Goldbergがperformanceしていたな〜)。しかもそのきっかけは、手相占いだったそうな。(笑) 何とも彼らしいというか、何というか・・・。L.A.に移動してからの彼の活躍は、TVや映画のクレジットからも伺える。やはり手相占い師の読みは当たっていた!?ところで、彼の英語には独特の「アクセント」があるのだが、当の本人はアメリカ生まれ、アメリカ育ちである。どうやらあのアジア的なアクセントは年配の親戚一同から受け継いだらしい。(笑)

何はともあれ、ER効果なしでも結構いろいろと面白い作品に出ている。他にも1997年に出演している"Psyco Sushi"なんて、一体どんな作品なんだろう〜。ERの中でも、おとなしいわりには髪をロン毛にしてみたりと、急に突拍子もないことをはじめるヨシ。大注目!というわけではないが、彼の動向が気になるのは確か。是非一度ER意外の彼の仕事を見て見たいと思う。



関連リンク
IMDb - Gedde Watanabe : Internet Movie DatabaseのGedde Watanabe出演作一覧 (EN)
リンク募集中です。関連サイトがありましたらご一報ください。