楽について:Let's Talk about Music

音楽は私の命である。もしも音楽がこの世の中からなくなれば、私は確実に魂を失うだろう。なにがどうしてそうなったのかはわからないが、とにかく音楽は私の心の奥底にしっかりと宿っており、この世でもっとも愛するものである。(*^^*)

私がこれほどまでに音楽に執着している理由の一つは、生まれる前から音楽を聞いていたからではないだろうか。父親は根っからの音楽愛好家。クラシック音楽とタンゴを愛する父は、若い頃からそうだったらしい。しかもステレオにもこだわるほどのマニアぶりを発揮していた。その反面母親は特別音楽好きではなかったのだが、父親の影響もあり、週末になるとレコードを聞かされていたそうだ。日々そんな感じだった訳で、私がお腹の中にいたころから大音響で音楽を聞かされていたのは間違いない。その後、4歳からバイオリンを習わせれる。父親はどうやらギターをやらせたかったそうだが、札幌にはいい先生がいないということで、結局バイオリンを習うことに。もう亡くなってしまったが、札幌交響楽団を設立した荒谷正雄先生に師事したのだから、今から考えるとすごいこと。しかし成長するにつれて、遊び盛りの私はいかにしてバイオリンのレッスンをサボるか(そして実際にサボったのがまずかった・・・(苦笑))悪戦苦闘しながら日々を過ごした。4歳から楽器を習っても「ただの人」となったのは、ここらへんの甘ったれのせいだろう。(笑)

4歳からバイオリンを始めたわけだが、普段聞く音楽はクラシックとはかけ離れていた。中学生の時にふと耳についたユーロビート(でた〜(笑))から洋楽の道に入り、その後はポップス、R&B、Jazz/Fusion、Rap、World Music、アジア音楽と幅広く聞くようになる。学生時代は音楽鑑賞に没頭する時間もあったので、この頃に聞いていた音楽の量は半端ではないかと思う。しかしあくまでもエンターテイメントとして音楽をとらえていた私は、音大に進むということは考えてもおらず、薦められたその道を自ら捨てた。といっても、もし受験していても受かったかどうかは別の話なので、あまり深く追求しないでほしい。なにしろ相当レッスンをサボっていた問題児だったもので、そこからも私の限られたスキルは想像できるかと思う。(;^_^A

音楽鑑賞で感動させられることはあったが、弾く側としては本当に退屈で大変だった。毎週1回のレッスンのために毎日練習しなければならないが、根性なしの私は日々やっても1時間が限度。せっかくいい先生についていたのに、その時はその価値を全く理解していなかった。音楽の違う一面が見え始めたのは留学をした時。入学した大学にあった交換留学という制度を利用してアメリカに1年間留学したのだが、そこで私の命を救ったのがバイオリンと音楽だった。英語もろくに話せず、超内気(だったんです!これでも!(笑))な私がアメリカなんぞに留学したって全然お話にならない。一緒に留学した知り合いは積極的に友達をつくり、着実に成長しているのに・・・。知り合いもいない見知らぬ国で一人ぼっちになってしまった私。日に日に落ち込みかけていた時、偶然バイオリンの授業を担当した先生が、私にオーケストラの参加など、積極的にアウトドアな活動を勧めてくれた。ある時はレコーディングにも参加させていただいたこともあった。自分が思っていた以上に私のことを引き出してくれ、さらに音楽が人の心をつなげるということを教えてくれたこの先生に出会わなかったら、私は今でも唯一の私の取り柄であるバイオリンをつまらなく弾いていたことだろう。もしくは辞めてしまったかもしれない。それ以来はクラシックやロックなど、ジャンルにこだわらずにいろいろと聞き始めるようになり、時間を見つけては楽器演奏を楽しんだ。そして音楽を通して出来た出会いの輪も広まっていった。たった一つのバイオリンから世界中に輪が広がるなど、一度たりとも想像したことがなかったが、そんなことが「ただの人」な私の身にも起こったのだ。(^^ゞ

すでにこの世を去った父は最後まで音楽を聞き続け、そしてある時「音楽がなかったらこれほど長生きは出来なかっただろうな・・・」とつぶやいた。それを聞いて、父の音楽への思いがひしひしと伝わり、胸が熱くなった。父が音楽に対して求めているものは生命だったのではないかと私は思う。生命をかけて音楽を聞く。それはものすごくパワーのいることであり、またすばらしいことだろう。自分はそれだけの思いで音楽を聞いているとは言えないが、少なくても楽器を弾いたり音楽を聞くことで、生きている喜びを感じるのは確かだ。演奏するにしても、たとえへたでも自分で音楽を奏でることができるのはすばらしいことだし、そのような機会を与えてくれた両親には日々感謝している。私は父親から貴重な形見をもらったのだ。せっかく身についた音楽のスキルは趣味として続けていくべきだろうし、また何らかの形で社会に貢献していけたらいいなとも考える。もしこれから音楽に関する仕事に就くことができるのなら、それは私の天職になるに違いない。しかし人生それほど甘くない。楽器を有効に使うためにはもっと真剣に練習しなければだめですな。「忍耐力」が楽器の難しいところである。とほほ。。。(^^;)