Bangkok:眠らない街バンコク (1999.05)

眠らない街 Bangkok:日本に荒らされた都市

5月、バンコク。「タイ」と聞いて、今までは、なぜか青い海、というイメージがあったのだが、今回の旅行で、そのイメージがすっかりかわってしまった。街をみて感じたのが、日本に荒らされた街、というのが第一印象だ。私が想像していた以上にバンコクは栄えていたが、すべてが中途半端なのである。ビルの建設も途中で終わっているのが多い。それらを手がけていたのが日本だという。友人の話では、タイ経済が悪化して以来、日本が散々建設してきたビルなどが、途中で中断され、そのまま放置されているようだ。街の中を歩いても、なんとなく元気がないように感じたのは気のせいだろうか。といっても、街の活気がないわけではない。バンコクは24時間フル稼動。夜、一人で街を歩けば必ず声をかけられる。売春婦や客引きだ。バブル期にアジア各国に進出し、そして風俗産業をも活気づけた日本の責任を感じられずにはいられなかった。

24時間眠らない街

ANAにてバンコクへと向かう。現地で友人が迎えに来てくれるので安心だ。いつもは成田経由だが、この時は初めて関空を利用してみた。平日というのもあるのだろうか、とにかく空いていて、さらにキレイ。まぁ成田も新しくなり、利用しやすくはなったが・・・。新千歳から関空へと向かい、さらに国際線へと乗り継ぐ。国際線もANA利用なので、チェックインは新千歳で可能である。出発5分前ぎりぎりにチェックインをし、飛行機へと駆け込む。バンコクの空港は思った以上に広かった。友人が荷物を預けたのだが、タイ人の感じは期待以上によかったので、ほっとした。が、さっそく客引き・・・。ゲートから出て行くとすぐに、遠くのほうからツアーデスクのおじさんたちが声をかけてきた。それも日本語・・・。当然そんなの興味もないので立ち寄らなかったが、空港から客引きか〜。ちょっと寂しい。ホテルの値段もチェックさせてもらったが、どれも高い。ネットで予約した方が、はるかに安い。ということで、空港ではあまり人を信用しないこと。アジア人をみたら、必ず日本人と思うのだろうか。中国人の友人にも、一生懸命日本語で話しかけていた(笑)。

今回のステイ先に選んだのはAmari Boulvard Hotel。Amari Hotelは他にもあったが、ロケーションではこれがなかなかよいので、ここにしてみた。ちなみにこのホテルの前には24時間オープンのスーパーがあるし、そこで食事も出来る。まさにベストロケーションといってもいいと思う。空港からはバスを利用。運転手さんに行き先を告げると、ホテルの近くで降ろしてくれた。ちなみに英語は通じるようだった。(そりゃ、ホテル名くらいは通じるか・・・。)ホテルに着いてから、さっそく向かいにあるマーケットに行ってみたが、本当に便利。切手も売ってるから、ハガキも出せるし、ご飯も食べられる。さっそくトム・ヤム・カイに挑戦。から〜い!!!!パクチーも最高!やっぱりタイ料理は最高!!他にも謎で美味しそうなメニューがあったけど、すぐに寝る予定だったので、とりあえずトム・ヤム・カイだけで止めておいた。

お土産はなに?:とりあえず街をうろうろ

2日目はツアーに参加する予定だったのだが、私も友人も疲れていたため、ツアーは明日に変更。10時くらいに起きて、街に繰り出した。とりあえず、ウロウロ。なにか面白いものがないか、探してみる。最初、旅行会社に行き、ツアーを申し込んだ。ツアーはいろいろあるみたいだが、どれも似たような感じ。ツアーを申し込む時は、はっきりと値段を聞き、その値段にどんな料金が含まれているか、しつこく確かめる必要がある。いわゆるぼったくりが結構多いから。また、出来れば担当者の名刺をもらっておくと便利。ツアーを申し込むと、理髪屋さんにいってみた。といっても、髪を切ったわけではないが・・・。男の人だったら結構おすすめかも知れない。数百円で散髪してもらえる。友人が散髪してもらっていたので、その間、隣にあるネールやさんで、足の爪を切ってもらった。必要であれば、好きなマニキュアもつけてくれる。爪にお金をかけるなんて!と今まで思っていたが、タイだったらいいかもしれない。安いし、おススメ。その他、デパートなどでお土産を探してみたが、どれがタイのお土産になるかよくわからなかったので、結局なにも買わなかった。ちなみにブランド品などはあまり安くはなかったと思う。CDなども、本物なのかコピーなのかわからなかったので、買わなかった。CDは安いとは思わなかったし・・・。いまいち感動があるわけでもないのだが、街の雰囲気は味わえたと思う。ちなみにその日の夕食も、ホテルの前のスーパーにある食堂で食べた。この日はトム・ヤム・クン。辛いのばかり食べているが、胃は大丈夫だろうか!?

服装に注意!

タイでたけの短いスカートやパンツなどをはくのは止めておいた方がいい。非常に暑いため、ロスなどの感覚で、ひざよりちょっと上くらいのスカートをはいていたら、通りすぎる人すべての人に見られた。最近は、日本でも超ミニがはやっているが、あれくらいの丈のものを穿いたら、これまた大変。下手したら売春婦と間違えられるので気をつけたい。道ゆく人に"Good!"やら"Beautiful"やら(足を見て)言われましたが、非常に不快感を感じ、ホテルに戻ってジーンズに取り替えた。どうやら白い肌はものめずらしいようだ。

ぼったくり天国:くれぐれもツアーには気をつけよう

どのツアーも必ずぼったくる、というわけではない。でも、十分に注意してほしい。安いからといって、お金を余分に支払わないように。私が参加したツアーは、チャオプラヤ川に行くツアー。朝、バスでピックアップしてくれる。オフシーズンのせいもあり、私が参加したツアーは6人だけ。ミニバンで移動した。悪くはなかったが、問題はこれから。橋に行く途中で、どうやら墓地に立ち寄るとのこと。その後、記念館に行くと言うのだが、入場料を払えと言う。参加したツアーは全て込みの値段だったはずだが・・・。川でのボート観覧も、もちろん含まれているはずなのだが、それも別口で、自分達で払えと言い出した。以前、何度も同じツアーに参加している友人が、ガイドに散々抗議したため、なんとか無駄な出費は防ぐことができたが・・・。記念館は興味をそそられた。写真を飾ってあるだけなのだが、日本人のした行為を深く考えさせられた。橋につき、ボート遊覧した後、橋を歩いて渡ってみた。これが結構面白い。(^-^) まぁ、移動に2時間くらいかかるため、結構見るものが少ないわりには疲れる。アユタヤにした方がよかったか!?

ツアーの最後に立ち寄ったのが、宝石店。これがまた、つまらない。入ってすぐに、へんな個室に誘導され、さらに飲み物が渡された。何か変なものが入っていたら困るので、飲まなかった・・・(考えすぎか!?)。そこで5分くらいのビデオを見る。ここの宝石はすばらしい!とかいうビデオだったと思う。これがまた超チープ!!!アジアにいくと、必ずお土産やさんに連れて行かれ、買わされるのがオチだが、どうやらここも、そういうところらしい。買い物には全く興味がない私たちにとっては無縁の場所。ビデオをみてから、1グループに1人、担当者がついて、いろいろ店内を案内してくれるのだが、「何か買う気はあるか?」と聞かれて「ない。」と答えると、こっちへ来い、といわれ、玄関に案内されてしまった(笑)。ビデオが終ってから1分後、店から追い出されてしまった!10分も建物にいなかった。ちなみに一緒に周っていた欧米人4人は、興味をそそられたらしく(買ったかどうかは別として)、いろいろと案内されていた。。。

面倒がらずにはっきりと!

いつも旅行をして思うのだが、いったいどうして日本人はぼったくられるのだろう?日本から来た、と知っただけで、先まで提示していた値段よりもはるかに高くなり、さらにはサービスチャージ込みの料金になってしまう。これほど悲しいことはない。一昔前なら、海外旅行の出来る日本人は限られていたかもしれないが、今は学生でもバックパッカーが出来る。たかがチップくらいいいだろうと思い、サービス料を払う場合があるだろう。提示料金より高くなっても、日本に比べると安いので、ついつい払いがち。でもこれがぼったくられる原因を作るのだ。また、現地に住んでいる日本人に対しても、妙な誤解を生んでしまい、失礼にあたる。不当な請求には断固として抗議しよう。警察を呼んだってなにしたって、不当なチップや料金は払わない!!買う前に、はっきりと値段を確認しよう。またレシートには注意。現地の相場を理解するのも大切。不当だと思う料金を提示されたらすぐにさようなら〜。ちゃんと正当な料金で乗せてくれるトゥクトゥクだってあるんだし。そういう人にこそ、ほんの気持ちとしてチップを渡したい。

最後の最後まで・・・:興味深いが、悲しかったタイ旅行

タイ旅行といっても、バンコクに数日滞在しただけだったが、それだけでもあまりいい思いではなかったのが、正直なところだ。タイは、ハマる人はハマる、と言うが、どうやら私は今ひとつだった。もう二度と来たくない!とは思わなかったが。機会があればまた来たいが、次に来るときはもっと勉強してくるべきだと感じた。日本とタイとの関係をもっとよく勉強するべきだったのもある。とにかく、最後の最後まで・・・。帰国の便が深夜便だったので、夜、バス停まで歩いていったのだが、道路にはいたるところに客引きが・・・。空港にいけば、ヨーロッパ人と別れを惜しむ売春婦たちをたくさん目にした。彼らが悪いというのではなく、なにが彼らをこういう状況に追い込んだのか、というのが不思議でならなかった。なぜか自分が日本人であることを感じてしまった。いつになるか判らないが、次回バンコクに行くことがあれば、次回はもっと彼らの生活を感じたいと思った。楽しかった!とは言えない旅行だったが、逆に興味深いものではあった。

※この記事は、1999年の情報を元に書かれています。