イリノイ州:CHICAGO (1997.02)

Michael Jordan's Town:2泊3日の一人旅

帰国間近の2月、NYからLAへの帰り道にシカゴへと立ち寄る。目的はひとつ。シカゴ交響楽団の演奏を聴きに行くため。アメリカのオーケストラの中ではトップのシカゴ交響楽団。ズービン・メータの指揮で演奏される、ベートーヴェンの「エロイカ」を目指し、シカゴへと向かった。今回の旅行では、NYフィルにボストン交響楽団を聞いたから(もちろんLAフィルもメータで聞いている)演奏もより楽しめることだろう。一人旅ということもあり、免許がない私には、観光は徒歩や公共の乗り物でまわれるところに限られているが、そもそも、観光をするつもりは全くといっていいほどなかったので、あまり下調べはしていなかった。空港からまずホテルを予約。できる限りチープにすませるため、ガイドブックでみつけたTokyo Hotelというところに決定。40ドルくらいで泊まれるのでかなりチープである。シャトルバンを利用してホテルまで直行。同乗者はThe Drakeやヒルトンなどの前で止まってもらっていて、ちょっと複雑な心境。(笑)Tokyo Hotelは値段の通りのホテル、清潔感のない、古いモーテル。女性にはおススメしない。どうやら何人か住みついている人もいるみたいだった。日本人も何人か見かけたが、全体的に暗いし、けむたかったので、次回行ったときは違うところを利用することにしよう。でもロケーションは悪くない。歩いて美術館やコンサートホールまで行けるので、わりと便利ではある。

ギャングが支配した町!?:高層ビルと清潔な街

チェックインをすると、早速メインのミシガンSt.へと繰り出す。ミシガン湖やトリビューン・タワー、ジョン・ハンコック・センターなど、摩天楼を見学。意外と面白く、高層ビルが立ち並ぶダウンタウンから見えるミシガン湖は、なんだかすごく素敵にみえる。2月ということで、かなり寒かったが、雪は積もっていなかった。もっと時間があったら、ミシガン湖のランチクルーズなんて試してみたいものだ。1日目は、モールのレストランで食事を取り、薄暗くなったくらいにホテルへと戻った。そういえば近くにスターバックスがあった。やっぱりTokyo Hotelのロケーションは悪くないな。。。

実は、シカゴというと、昔から、すごく危険なイメージがあった。LAにいて、何をいまさら、と言われるかもしれないが、LAは、サウスセントラルにさえ行かなければ、あまり危険な感じがしない。といっても、危険はどこにでもあるので、できる限りの用心は必要だが・・・。とにかくシカゴは、街を女一人で歩くこともできないのではないか、という恐怖感があった。しかし実際に行ってみると、それほど他の街と変わらない。ダウンタウンから離れると治安が悪いらしいが、メインのストリートなら、ある程度暗くなっても歩くことはできた。それとも、私がラッキーだっただけなのか・・・。またマンハッタンと比べ、街が清潔。道に捨てられているゴミも、マンハッタンと比べると断然少なく、きれいである。札幌とは比べ物にならない大都市なのだが、なんとなく札幌と似たような感じがしたのは私だけだろうか?

アートの日:アメリカン・ゴシックにメータのBeethoven

2日目。この日はシカゴ美術館を観覧し、コンサート鑑賞という、まさにアートの日。11時ころホテルをでるが、この日は寒い!昨日よりもかなり寒く、即効スターバックスへかけこむ。クッキーをかじりつつ、コーヒーをすすり、温まってからがんばってミシガンSt.に向かう。とにかく寒い。美術館までは、ミシガンSt.をただただ南に向かってまっすぐ歩くだけだが、途中、お昼も兼ねてマクドナルドにまた立ち寄ってしまった。なんとか美術館に到着。シカゴ美術館はアメリカ三大美術館のひとつ。私が見たかったグラント・ウッドの「アメリカン・ゴシック」やエドワード・ホッパーの「ナイトホークス」、他にも「パリ、雨の日」や「サーカスの二人娘」(ルノアール)、「アルルの寝室」などなど。はっきり言って、私はアートをみる目は持っていない素人だが、それでも十分に楽しめる。お昼ころから鑑賞し、ふと時計をみるともうコンサートに行かなければいけない時間になっていたくらい、時を忘れさせてくれた。メトロポリタンやボストン美術館とは違った雰囲気の美術館だ。お土産も忘れずに購入。ナイトホークスなどの作品の絵葉書は、友達へのお土産にもいいだろう。

まだまだ見たかったが、コンサートの時間が迫ってきていたので、美術館とお別れし、今度はシカゴ交響楽団だ!場所は、美術館の向かいなので、非常に行きやすく、ベストロケーション。ホールは普通。座り心地も悪くなく、予想外だった。座席はなるべく良い席を、と、S席真正面といった感じだった。それでも70ドルをきるのだからすごい。メータ指揮シカゴ交響楽団の演奏を70ドルで聴けてしまうのだ。ここはけちけちしないで、思いっきり良い席で鑑賞してみよう。実は以前もメータの演奏は、LAフィルで聴いている。そのときはブルックナーだったのだが、やはりベートーヴェンとなるとまったく違う。もちろん個人的に好きな、理解できる曲でもあるが、それ以上にすばらしい音が奏でられていた。やはり世界でもトップレベルのオーケストラである。ホールの音もわりと良いほうで、即行、一番お気に入りのオケとなった。(^-^)

ブルースとミシガン湖:オケだけじゃもったいない!次回は観光を!

最終日はシャトルでLAへと向かっただけで、観光はもうできなかった。結局予定通り、オケがメインのシカゴ滞在となってしまったが、それだけじゃもったいない!次回来たときは、ミシガン湖のランチクルーズとブルースを聞きに行くぞ!ジャズだって聞いてみたい。あとはNBAを見れたら最高。すごく寒かったし、まだまだ見てみたいところはたくさんあるけど、とりあえずは満足なシカゴ滞在。初めて一人でアメリカを旅行したというのもあってか、本当に満足満足。次回も一人で回ってみたい都市のひとつ。

※この記事は、1997年の情報を元に書かれています。