2001年スンドゥブの旅 (2001.07.19-2001.07.23)

2001年の夏休み。毎年この時期になると仕事が忙しいため、夏休みは取られないのが多かったが、今年は忙しいながらもきっちり取ることが出来たのでラッキーだ。週末とつなげて5日間の休みを取ることが出来たので、この年は韓国・ソウルに遊びに行くことにした。とはいっても特に行きたかったわけではない。行きたかったことは確かだが、ショッピングをするわけでもなく、ただなんとなく5日間だと十分に楽しめるかな、という程度の期待だった。そして旅の目的はなんといっても食べ物!留学中に出会って以来止みつきになった本場のスンドゥブ(豆腐チゲ)を求めて韓国まで行くのも悪くないだろう。ハングルほどわからない言葉はないが、何とかなりそうだ・・・。そんな気軽な気持ちで旅に出ることにした。

1日目:ソウルのモーテル

利用した飛行機はUA。3時間のフライトだというのにビジネスクラスを利用したから豪勢だった。とはいうものの、ほとんど寝ていたからあまり憶えていない。隣に座っていたビジネスマンと話すこともなく3時間昼寝をして過ごす。札幌から羽田、成田へ向かってそこから韓国へと、近い韓国でさえ私にとってはかなりの長旅になるのだ。それにしても3時間のフライトはさすがに近い。あっという間に到着してしまった。到着間際に横に座っていたビジネスマンに話しかけてみたところ、仕事の関係でよく日本にやってくるとか。母国語である韓国語、そしてビジネスの為に日本語と英語の合計3カ国語を話すビジネスマン・・・。さすがは韓国、恐るべし。とりあえず英語が通じそうでホッとした。空港に到着すると、新しく出来たばかりの空港がお出迎えしてくれる。新しいのできれいだが、案内の看板が少ないのと、空港中キムチの匂いがしたのには笑えた。さて、いつも同様アメリカから知人がやってくるので、空港にて待つことに・・・。待合室にあるテレビを眺めていたら、どうやらアイドルS.E.S.の1人がドラマ出演。さっそく旅行前からマイブームだったKorean Popsの魂を目覚めさせてくれる。ガイドブックを片手に人気のアーティストなどもチェックして時間をつぶす。そして夜8時頃、アメリカから知人が到着。我々は1日目のホテルへと向かう。

1日目のホテルはいわゆるモーテル。夜遅いので、高いホテルに泊まることもないと思い、知人がみつけた安宿へと向かう。ItaewonにあるHill Top Motelという宿なのだが、w25000と値段はわりと手ごろで、Itaewonの通りから少し坂を登っていく。仁川空港の観光案内でも予約可能の安宿だ。しかし場所がちょっと怪しい。まわりにはスナックやパブなどが立ち並んでおり、安宿というよりもいわゆるモーテル・・・だった。(^^;) まぁ素泊まりだから気にしない気にしない気にしない。でも受付のお兄ちゃんは親切な人で助かった。そういえばNYに滞在する時によく利用していたKorean経営のモーテルのお兄ちゃんも親切だったな〜・・・などと昔の思い出に浸ったりもする。(笑) ホテルに到着してすぐにItaewonのメインストリートへと降りて行き、KECで10時の遅い夕食を取る。未計画で来たので明日からの予定を立てなければ、と、少し早めにホテルに戻り、11時には就寝。

2日目:メガネ

9時に目を覚ます。睡眠もたっぷりと取ったので疲れは全くない。さっそくCheck Outして次のホテルへと向かう。今日からはGrand Hyatt Seoulに豪華宿泊するのだ。しかも知人がメンバーのおかげで、メンバーのみが利用できるというサービスも受けられるという豪勢ぶり。プールもジャグジーもあるので観光はそこそこにして、とにかく夏休みを楽しみたい・・・。さっそくHyattにCheck Inすると、まず朝食がフリーで食べられる。この朝食も、トーストや卵、ベーコン、そして果物とシンプルなものではあるが、それでもどれも美味しい。またジャムはFortnum & Masonものが4種類も並んでいるではないか!さすがHyattだ〜。疲れは無かったが、ゆっくりと朝食を取り、シャワーも浴びてリフレッシュしてから、1時半くらいに街へと繰り出した。

今日のお題?は「NANTA」。事前にネットで予約しておいたNANTAのショーが7時からあるので、それまで明洞を観光することに。Itaewonからは地下鉄でも行けるが、一番楽なのはバス。23番バスで明洞へと向かい、まずはランチにMr.Pizzaというチェーン店に入った。味は普通で、お腹いっぱいになる。その後、旅の目的の一つであるメガネを購入するため、日本でプリントアウトしてきたクーポン券を片手にお店を探した。私はものすごく目が悪いため、薄型プラスチックにするとものすごく高くなるのだが、少しでも安くなるのを期待して行っていたら、確かに安い。私が購入したメガネは3種類のレンズの内、中間ものだが、それでも6000円くらいで購入出来た。メガネのふちは安いものとそうでないものがあったが、さすが私。とことん安いものを購入する。(笑) それも含めて6000円なのだから感動もの。これで10年も使っていた今までのメガネとはさようなら〜。仕上がりもあっという間に出来るので、サングラスなども作るとよかったかも。その後は人通りのすごい明洞をひたすら観光。個人的に気に入ったのはミドパというデパートのB1に入っていたCD屋さん。ここのCDは新しいものも安いし、品揃えがなかなか豊富。ここで山ほどK-PopsのCDを購入する。クラシックも韓国人アーティストを中心に揃えているのでこちらも数枚購入。他にSeattle's Bestもみつけたのでここで一息いれる。コーヒー等は日本と値段的にも変わりはなかった。そして夕食は初の韓国料理、石焼きビビンバを楽しむ。一応明洞の有名どころである全州中央会館で食べる。ビビンバについてくるナムルの数々も美味しい。w7500でナムルも入っているのだから納得。キムチがまた美味しいのだ!食後、歩いて行けるというNANTA劇場へと向かう。場所が不明確で何度となく迷ってしまい、歩いている人に尋ねてみたのだが、みんな言うことが違ったのであまり人を頼りにしない方が良さそうだ。(^^;) とにかく開演ギリギリに無事に到着。NANTA鑑賞を楽しむ。NANTAは迫力あるショーで十分に楽しめる。知人いわく、笑いどころはどちらかというとアジア人向けだったというが、どうだろうか。日本人もたくさん見に来ていたが、これは韓国観光にははずせないショーの一つなので、韓国に行く機会がある方はチェックしていただきたい。

3日目:ダッカルビ

3日目は午前中ゆっくりと過ごし、午後から活動開始。ホテルからItaewonメインストリートまでシャトルバスがあるので、それを利用してメインストリートへと向かう。ストリートにあるWANTA SHOPというバッグ屋と知人が知り合いだったため、立ち寄ってみる。お店の人は正直で(これが一番大切)安心出来た。さて、ここで本日のお題1つ目、スンドゥブを食べる。WANTA SHOPの人に美味しいスンドゥブ屋さんを紹介してもらい、食べたのだが、これまた最高に美味しかった!約5年ぶりに食べる本場のスンドゥブに感動のあまり涙が・・・。(ToT) すっかり気分を良くした私は、明日にしようと思っていた景福宮観光を今日に変更。食後、地下鉄を利用して景福宮近辺へと向かった。景福宮の色使い等など、やはり韓国らしく、日本の美とは違った楽しみ方が出来る。

その後、仁寺洞から鐘路へかけて観光する。明洞のような騒がしさとは一見違い、アーティスティックな作品が並ぶお店が多くて落ちつく通りだ。韓国紙や茶器なども置いてあり、伝統を感じさせてくれるものばかり。またお食事処もちょっとオシャレな雰囲気のあるところが立ち並んでいるので要チェック。食べたいものを数件見つけたが、私達は結局ここでは食べなかった。実はこの通りで1軒どうしても行きたかったお店があった。ガイドブックで見つけた「ケグォン(客園)」というお店。お豆腐の専門店らしく、スンドゥブ定食がw5000で食べられるというのだ。いつの日かまたソウルに遊びにいくことがあれば、絶対にこのお店に行きたい。結局私が知が夕食を食べたのは地下鉄の駅近辺に見つけた騒がしい焼肉屋さん。ここでタッカルビを注文。日本でも流行っているということだが、私は全く知らなかった。鶏肉、野菜、トックなどを一気にコチュジャンで混ぜ合わせて食べるのだが、とにかく辛い!しかも量が多いため全部食べることは出来なかった。ちなみにこのお店で注文する時、英語はほとんど通じなかったが、途中で日本語を使ってみると、日本語の方が全然通じた。いつもは英語でないと通じないのに、さすがは韓国。言葉を巧みに操れるのがすごい。しかも1人分でさえかなりの量なのだが、2人分以上でないと頼めなくなっていたので、(当時)小食だった私には厳しい食事だった。しかし食事面に関しては、ランチのスンドゥブに始まり、流行りのタッカルビまで楽しめたのだからかなり満足の1日だった。

4日目:最後のスンドゥブ

本日最終日。明日はお昼の便で日本へと帰るので、今日が最後の観光日となる。景福宮、スンドゥブ、明洞、仁寺洞、Itaewon、メガネ、そしてNANTAと、来る前に決めていた目的は全部果たしたので、この日はホテルでゆっくりと豪勢に過ごすことにした。9時に起床し、朝食を取ったがその後またお昼寝。そしてランチを食べに1時にシャトルに乗ってItaewonのメインストリートへと降りて行く(Grand Hyattは山の上にあるのだ)。再びWANTA SHOPへと向かい、昨日と違うスンドゥブ屋さんを紹介してもらう。この日のスンドゥブを最後にしばらく食べられなくなるわけだが、おふくろの味といった感じで、お店の雰囲気も韓国らしくて気に入った。味の方は昨日の方がダシが出ていたかな。。。たっぷりとスンドゥブを食べた後、知人はマクドナルドでポテトをつまむ。思いきりランチを食べた後は、運動も兼ねてItaewonのストリートを歩いて観光して見た。正直、お店は興味深いものはそれほどなかったが、外国人の比率はわりと多かったため、値段は少し高く感じたものもあった。4時くらいに再びシャトルでホテルへと向かい、ジャグジーやプールで遊ぶ。ジャグジーで一緒になった夫婦と会話も弾み、楽しい一時を過ごした後、夕食を取るため再びメインストリートへ。この日はガイドブックにも載っている焼肉屋さん、梨泰院カルビへと向かい、噂のプルコギを食べてみる。焼肉は大好きだが、残念ながらプルコギはいまいちだった。甘いものがあまり好きでない私にはこの手の味は合わないらしい。ここは量が少なめなので、先日食べた焼肉屋さんとは大違い。残さず全部食べることが出来た。食後はホテルに帰ってきて荷造り。明日はお昼の便なので8時くらいに起きれば十分間に合うだろう。

最終日:キムチ人間

予定より少し早めの7時に目がさめたので、ゆっくり朝食を取ることが出来た。ガイドブックなどを読むと、朝早起きして市場でキムチのお土産を買って行く人も多いようだが、朝が苦手な私には7時に起きるのが精いっぱいだったため、キムチのお土産は諦めざるを得なかった。(笑) 荷造りをしてシャトルへと乗りこむ。ホテルから空港まではバスでいけるので非常に楽である。十分楽しめると思っていたソウル滞在も、意外とあっさり終わってしまい、今となってはもっともっと無茶をしていろいろとまわるべきだったかな、と少し後悔気味。でも目的は達成出来たので満足度はかなり高い。空港に着いてからは再びビジネスクラスで成田へと向かい、リムジンバスで羽田へ移動し、札幌へと無事帰宅。お土産はほとんどなかったのだが、購入したCDが山のようにあったため荷物はものすごく重かった。(^^;) でもこれも目的の一つだったし、良しとしよう。帰ってきて母親に一言、「あんた、キムチくさいね」といわれた。( ゜o゜)ハッ。全然自分では気づかなかったが、いつの間にか私はキムチ人間になっていたようだ。毎日のようにキムチを食べて、街中がキムチくさいと、初日に確かに感じていたキムチの匂いもたった5日後には何も感じなくなっていたのだ。慣れって怖い・・・。すっかりキムチ人間と化した私はその後もしばらくキムチを食べつづけた。やっぱり美味しい・・・。再びいつの日か本場のスンドゥブを求めて韓国に遊びに行くだろう。そしてその時は間違いなくまたキムチ人間に変身するだろう。最後に、今回はトラブルが今までになく少なかったため、本当に楽しんで旅行をすることが出来た。以前から韓国人とはアジア人の中でも特に友達になりやすいと感じていたが、今回の旅行でまた親近感が沸いた。日韓の間になる歴史的な問題はあるものの、韓国にはやはり日本に近い文化がある。言葉は違っても美の感覚や話し方など、どことなくつながりを感じてならないのだ。今回滞在した梨泰院も、中には正直でないお店もあるが、大抵のお店は感じが良く、お世話になったWANTA SHOPの人なんて、全然知らない私の頼みを聞いてくれていろいろと案内してくれたのだから、正直な親切に心から感謝したい。また来ることがあれば、その時はもう少しハングルを勉強しておきたい。そして少しでも直接人々と会話が出来たら、と思う。

※この記事は、2001年の情報を元に書かれています。