はじめてのロンドン (2002.02.05-2002.02.09)

首都圏での長い出張が終わり、無事に1月末に北海道に帰ってきた。すでに次の仕事が決っていたが、まだそれほど忙しくないということだったので、仕事の変わり目だし旅行に行こうと企画。毎年1度は遊びに行くアメリカに去年は行けなかったため、アメリカに行こうと考えていた。しかし、一緒に行こうと話していた人が「007」最新作の監督さんと知り合いだということで、現在撮影が行われているイギリスに行かないか、と誘ってくれた。映画好きな私にとってはそれはそれはラッキーなお話。正直、前回バーミンガムに行った時の印象があまりよくなかったため、しばらくイギリスに行くことはないだろうと思っていたが、こんなにもあっさり2回目のイギリス旅行に行くことになるとはちょっと予想外だった。映画の撮影を見るのがメインということで、日程もちょっと短めの3泊5日プランとした。

前日:不安

今回利用した飛行機はANA。出張で貯まったマイルをさっそく利用する。ANAのロンドン行きは午前便のため、札幌にいる私は前日に移動しておかなければならない。ということで、6時に仕事を終え、その後新千歳空港へ直行した。最終便よりも1本前の飛行機に乗って羽田に乗り込む。宿を取っていなかったため、ネットカフェで一晩過ごそうと思ったのだが、何だか体がだるく感じたし、これから長い旅も始まるということで、ビジネスホテルを見つけてそこに滞在することになった。しかし災難はそこから始まった。0時に就寝するまでは大丈夫だったのだが、夕食の食べ過ぎと、風邪が胃を直撃したのとで、夜中の2時くらいから胃炎が始まる。それこそ何年も吐いたことなんてなかったのに嘔吐を繰り返してえらい目にあった。フロントから風邪薬と胃腸薬をいただいて飲んだが、時はすでに遅し。体もだるく、冷えてきて、ぶるぶると震え出した。結局そのまま一睡も出来ずに朝の6時を迎えてしまい、ふらふらしながらホテルを後にした・・・。旅行前に具合が悪くなるなんて初めて。このまま遥か彼方ロンドンに向かっても大丈夫だろうか。飛行機の中で具合が悪くなったらどうしよう・・・。予想外の不安に教われた。

1日目:睡眠

前日移動というのが初めてだったので、朝から成田に向かうのがこれほど面倒だったとは知らなかった。川崎付近に滞在していた私は、そこからまず東京へと向かう。東京駅から快速成田に乗れば大丈夫だと思っていたのだが、時間の見積もりからして甘かった。川崎から東京までかなり遠い。乗ろうと思っていた電車にあっさりと乗り遅れてしまった私は、慌てて時刻表をチェック。NEXだったらまだ間に合う。コスト的にも出来るだけ避けようと思っていたNEXだが、やはりこれを逃すと飛行機に乗り遅れるのでさっそく飛び乗った。具合が悪かったこともあったので、成田まで座っていけるし今考えたらNEXの方がよかったかも。無事に2時間前に空港に到着。久しぶりの海外旅行で胸が高まるはずだが、一緒に胃痛も高まる。イテテ・・・。平日だったので、海外旅行に行く人なんてほとんどいないだろうと思っていたが、ANAカウンタにはずらりと人が並ぶ。日本人はもちろん、台湾、韓国からの旅行客が多かった。待つこと45分。この段階でもうかなり疲れる。チェックインをした私はとりあえず風邪薬と胃薬を購入、時間に余裕はあったのだがそのままゲートへと向かった。ロンドン行きのゲートにはほとんど人がいなかった。45%の空席があると聞いていたのでホッとした。万が一具合が悪くなっても何とかなる・・・と。ゲートでたまたま隣に座っていた女の子と友達になり、離陸まで会話を楽しむ。そしていよいよ離陸だ。念のため通路側の席を取ったのだが、飛行機で寝ていたら具合も悪くならなかったので助かった。ただ機内食は全く食べられず、びっくりした。前は全然平気だったのに、最近は全く食べられなくなった。不思議なものである。

時間通り無事にイギリスのヒースロー空港に到着。以前来た時にセキュリティーの厳しさに驚いたが今回は全然軽かった。テロ事件以降なのでもっと厳しいかと思っていたのだが・・・。もしかして前回は職業のところにSEなんて書いたからいろいろと質問されてしまったのだろうか。(^^;) ゲートで知り合った人と別れ、自分の友人を探す。友人は先に到着しており、空港で合流した。今回の旅行の目的は「007」の撮影現場を見る、だったが、先にスタジオ入りした知り合いは、友人である監督の態度が気に入らず(要はタカビーになっちゃったようで・・・)スタジオにはもう行きたくないといいだしてしまった。ショッ〜ク・・・。旅の目的がもうつぶれてしまった。がっかりした私はまず旅の疲れを癒すのに、ホテルへと向かう。Holiday Innに滞在しようと予定していたが、ロケーション的にいい場所を見つけたということで、The Regent Palace Hotelというエコノミーホテルに滞在することに。場所はPicadilly Circus。Undergroundの駅からすぐのところにあるのでいろいろと地下鉄で歩くには便利。ちょっとしたホテルだと物価が高いため平気で2万円近くするので、私のような貧乏旅行人にはいいホテルは泊まれない。その点ここは朝食つきだし場所も広い。シャワー・トイレ付きの部屋にしたが、共同にすればもっと安くなるという、きれいなユース感覚で滞在できる。ロケーションはばっちりで、ここからだったら地下鉄やバスでいろいろと観光できる。ホテルに着いたのが夕方の3時頃。それから近くのBurger Kingでご飯を食べ、ぶらぶらと周りを歩いてみる。その日はミュージカルかスタジオに行こうと計画していたが、体調が優れないせいもあり、この日は早めに寝ることにした。ここで体調を整えておけば、残り数日、なんとか歩き回れるだろう・・・。

2日目:大英博物館

前の日に早く寝たせいもあり、朝は7時に起床。初日から予定が狂ったため、計画の建て直しからスタートする。朝食はホテルで済ませる。食事の方はパンにスクランブル・エッグ、ハッシュ・ポテト、その他野菜やまめ、シリアルなどがあった。味の方はまずまずといった感じで、朝は白米党になっていた私には少々厳しい朝食だった。この日は本来、バーミンガムに住んでいる友人のところに遊びに行こうと考えていたのだが、昨日は全く観光できなかったので、友人との再会は諦めてロンドンの市内観光に出発することにした。どうしても見ておきたかったのがバッキンガム宮殿。まずはそこへと向かった。どこを移動するにも地下鉄を利用したが、地下鉄は一日乗車券を購入すると便利。ホテルのコンシェルジュに頼んでも購入できるので、ホテルを出る時に購入して行くと便利だろう。まずは地下鉄で宮殿まで向かう。途中、同じ方向に向かうということでベネズエラから仕事でやってきた女性と知り合いになり、一緒に宮殿へと向かった。ラッキーなことにこの日は衛兵交替の日。しかしそれまで1時間以上もあったため、寒さに耐えられなくなった私たちは大英博物館へと移動することにした。あぁぁ〜、もったいない!でもいつかまた行った時に・・・。そうそう、楽しみはとっておかなくちゃ♪

大英博物館 (British Museum) はさすがにすばらしかった。とにかく入場してすぐにあるエントランス・ホールがとっても清潔。白を基調とした清潔感の漂う作りにほれぼれしてしまった。本来ならば、ガイドブックを片手にいろいろと有名なみどころを見るべきなのだろうが、何だかとっても雰囲気がよかったので、特に何も持たずに本能の感じるまま見て歩いた。(笑) ただ、私が唯一見たかった「ゲイヤー・アンダーソンのネコ」はばっちりと鑑賞。とにかくネコが多く、興味深いコレクションがたくさん並んでいた。日本のものも飾られており、ねぶた祭りなどが紹介されていたのも興味深い。2時くらいまでじっくりと鑑賞した。そろそろお腹が空いたので、博物館内のレストランで食事を取ろうとしたのだが、ここでトラブル発生。ちょっとしたトラブルから私達は気分を害したため、食事は他のところで取ることにした。最初はFish & Chipsを探したのだが、なかなかいいところがなかったため(何しろイギリスは喫煙者が多いため、non smokingのレストランがなかなか見つからないのだ)結局Covent Gardenにあるオシャレなレストランでちょっと遅いランチを取る。私が頼んだのはラム肉のトマト煮。これがまたおいしい。朝のホテルの食事しか取っていなかったので、非常に満足感の得られる食事だった。すでにいい時間になっていたので、夜は是非ミュージカルを鑑賞したいと思い、ちょうどこのレストランの向かいにあったチケットやさんで"Buddy"のチケットを購入する。金額は思っていたほど高くもなく、手ごろなものだった。ショーが始まるまではまだ時間があるので、Covent Gardenをぶらりと歩いていたのだが、途中で疲れてしまったためにいったんホテルへと帰る。ホテルで軽く昼寝をし(一体私はどうしちゃったの?いつからこんなおばあちゃまに?)この日のディナーはなし。時間ギリギリに起きて会場へと向かった。それにしてもこの会場、なかなか見つけられずに開演1分前に到着。危なかった。"Buddy"は、アメリカはテキサスから飛び出したスーパースター、バディ・ホリーの物語。1959年に飛行機事故で他界してしまったが、当時はエルビス・プレスリーと人気を二分にしたほどのスターである。音楽が好きな私にはなかなか楽しかった。またBuddyのストーリーを知らなかったのでこのミュージカルを見ることで勉強にもなった。ちなみにこの"Buddy"は残念ながらもう終わってしまった。そうとは知らずに見に行ったのでラッキーだったかもしれない。

3日目:アフタヌーン・ティー

この日はちょっと天気が悪かった。雨が少々降っており、あまり出かける気にはなれず。とりあえずこの日の目的はホームズ。それだけだったので、朝もゆっくりと起きたことだしこの日はショッピングデーにしようと決めた。私が滞在しているホテルからはOxford Street, New Bond Streetなどといったいわゆるショッピング・ストリートに囲まれているので歩いているだけでもウィンドーショッピングを楽しむことが出来るだろう。朝は9時くらいにホテルを出て、まずはシャーロック・ホームズでおなじみのBaker Streetへと向かう。もちろん1日乗車券を使って地下鉄で移動だ。(*^^*) Baker Streetへ到着すると、地下鉄駅構内の壁にホームズがっ!とってもおしゃれ。世界的著名人の一人とも言えるホームズだけあり、アピールの度合いが違う。外に出ると天気は相変わらずどんよりしている。ホームズの銅像が駅前にあり、さっそく写真撮影。これはちょっと・・・感動!(ToT) お決まりではあろうが、ホームズの家にも訪れて見た。こちらはミュージアムになっており、中にはいれるのだが、お腹も空いてきたことなので今回は中に入らず、ランチを食べることにした。さて今日こそはFish & Chips。いろいろと考えたが、地下鉄も乗り放題なので、MaryleboneにあるSea Shellというところまで足を運ぶことにする。このお店、同名のシーフードレストランも併設しているが、このテイクアウェイ用のFish & Chipsはなかなかイケた!同じガイドブックを手に持った日本人も数人いたが、来て損はないところ。知人もすっかり喜んでいた。

お腹いっぱいFish & Chipsを食べた後は、運動がてらウインドウ・ショッピングへと向かう。といっても私はショッピングが好きなわけではないのだが、どうしても見ておきたいステーショナリーやさんが数件あったので、ぜひこの際見てみようと思ったので・・・。知人はメールをチェックしたかったため、ちょうどOxford Circus近辺で地下鉄を降りるとネットカフェを発見。1時間ほど自由に歩く時間が出来た。カフェの横にあるHMVなどをチェックしつつ、目的のステーショナリーやさん、Smythsonをチェック。おしゃれな手帳やカードが並んでおり、またシンプル!とっても素敵!ほ・・・ほしい・・・っ!ぎりぎりまで迷ったのだが、結局購入をせずにカフェへ知人を迎えに行った。3時になったので私達はアフタヌーン・ティーへと向かうことにする。本当は明日にしようと考えていたためジーンズで来てしまったのだが、Fortnum & Masonでお土産を買うついでに立ち寄って見ようという話になった。ジーンズだし断られると思っていたら、あっさり入れてくれたのでラッキー。とはいうものの、お客のほとんどが日本人だったのには「やっぱりな〜・・・」といったところだろうか。サンドイッチはまずまずとしても、スコーンはすごく美味しかった!これだけでもまた食べに行きたいくらいだ。横ではピアノ演奏をしてくれて、とてもリラックスできる雰囲気になっていた。うーむ、やはりもう少しオシャレして行くべきだったな・・・。ところでこの時ピアノ演奏をしていたのがAngus Murray氏。ピアノと歌を担当して、自らのスイング・バンドも持っているという彼はアジアに興味があり、京都や中国を訪れたことがあるそうだ。また店員の1人でこれから中国に行くという人もおり、実は初めてといっていいが、アジアに興味を持つ外国人に出会った。会話に花が咲き、ついつい長話をしてしまった。Angusさん、Good Luck!!

アフタヌーン・ティーでかなりお腹が膨らんだ私達だが、お土産の紅茶を購入し、ホテルへといったん帰る。夕食はホテルの近くにあるステーキやさんと決めていたのだが、お店に入る途端ちょっと雰囲気が悪い。ここのお肉は大丈夫・・・か?味はアメリカ以下なほどまずく、非常にがっかり。このAngus Stake Houseはオススメできないな〜。ピアニストのAngusさんはオススメだけど・・・。楽しかった1日の締めくくりがこのステーキというとちょっと後味が悪いので、これまた近くのバーガーキングでポテトを購入。(笑) これの方がよっぽど後味悪いか。(笑)

4日目:パスタ・パスタ・パスタ

最終日。今日の午後に帰国するので、今日は観光はなし。ホテル近辺を見てまわったりしようと思う。それにしてもホテルの朝食も今日で最後と思うと意外と食べられるものだな。。。朝食を終えるとまず知人がネットカフェに行くので私はその横にあるHMVでお買い物。ポップス等には特別ネタはなかったものの、さすがはUK。Techno/Houseものの品揃えは抜群で、さらにコンピレーションは安くていいものが揃っていた。迷いに迷って3枚購入。(笑) 友達と次に訪れたのはFilofax Centre。システム手帳の有名ブランドだ。品揃えはそれほど特別多いと感じなかったものの、落ちついたお店の雰囲気で、なんといっても手帳が・・・。ほ・・・ほしい・・・っ!Smython同様買おうか迷ったのだが、こちらも断念。いや、かわいいけどやっぱりお値段も張るしで・・・。とりあえず時間もたっぷりあるので、ホテルまで歩いて帰ることにする。Smythonにも再び立ち寄って再び検討するのだが、またふんぎりがつかずにもやもやした気持ちのまま立ち去った。いやー、これは今でも後悔している。普段買い物をしないだけあり、欲しいと思いこんだら本当に欲しくなるから怖い。。。ストリート沿いには有名ブランドのお店が並び、またお店にいるジェントルメンや女性達もさすがに上品。手軽なBurberyなどを見て歩き、ちょうど12時くらいにピカデリー通りへと出た。そこで見つけたあるイタリアン・レストランでランチを取ったのだが、ここのミートソースがすごく美味しくて・・・。イギリスの食生活には全く期待していなかったが、イギリスにも徐々に美味しい食文化が芽生えてきたようだ。食事を済ませ、楽しかった3泊4日のロンドン滞在にお別れを告げる。地下鉄にて空港まで向かい、そしてANAへと乗りこんだ。

最後に

今となってはやはり007の撮影が見られなくて残念だ。何しろオスカー受賞者のHalle Berryがいたのだから・・・。しかし予想以上に楽しめたロンドンに遊びに来られてよかった。もし来なければ、以前受けた印象が膨れ上がり、私の中でのイギリスの印象は最悪のものになりかねなかった。食生活もレベルアップし、さらに人々もとても気さくでフレンドリー。今回はそんな印象を受けた。以前の私の私の印象を覆すように・・・。しかし今回もやはり後悔したことが数点。まずはクラブ!UK、しかもロンドンに来たというのに時間が足りずにクラブは後回しになってしまった。次回は絶対・絶対・絶対!にMinistory of Soundに行くぞ〜!Creamにも行けたら行きたいな。。。もう一つは友達に会いにいけなかったこと。電車で2時間のところにいるというのに会いにいけず、非常に残念だった。またロンドン、もしくはイギリス旅行をする時こそは、この2つとも実現させなければ・・・。

※この記事は、2002年の情報を元に書かれています。